人材教育にモデリング手法

誰でも手軽に動画を撮影できるようになり、映像を取り入れた社員教育が容易になった。映像を使うと言葉では表現しきれないコツを伝えられ、時間や場所に関係なく予習や復習ができる。若手が育たない、慢性的な人材不足に陥っているという仕事には「動画」を使ったモデリング手法を採用すると解決できるかもしれません。

「左官職人」と聞くと、現場で厳しい修業を連想する方が多いと思います。
昔も今も職人の世界では技術を「見て習う」と言われています。
こちらの企業では動画を使った教育を行っている。プログラムの中心は「塗り壁トレーニング」。先輩職人が壁を塗る動画を見て動きをまね、縦2m×横1mほどの壁をひたすら塗り続ける。土を塗って剥がすという作業を1時間繰り返し、反復することで動きを体に染み込ませる。1時間以内で20回塗れるようになるのが目標。


ただし、塗り壁トレーニングだけが目的ではない。
「観察力」であり、まねをする力を身につけることこそが本当の狙いなのだ。
そのスキルを初期の段階で叩き込むことで、その後現場に入った時に、先輩の職人から技能を盗める。
動画なら言葉や文字では表現できない動きも一目瞭然、いつでもどこでも先輩社員の一挙手一投足を繰り返し見られる。自分の映像を繰り返し見たり、メンバー同士で手本の映像とどこが違うかをアドバイスし合ったりすることも効果が大きい。
新人ははじめ無理だと思っていたことができると達成感がある。もっとうまくなろうというモチベーションが沸いたり、仲間がいることで自然と競争意識も生まれる。
もともとアスリートが活用していた「モデリング手法」、職場の教育に活用してみると面白いかもしれません。